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β キャピタリスト年頭所感 2023
新年あけましておめでとうございます。
2022年もドーガンベータラボをご愛読いただきましてありがとうございました。今年は開設した2021年に引き続いて投資先企業やLP投資家様とのインタビュー記事を公開しつつ、キャピタリスト個人による記事にもチャレンジする1年となりました。
福岡のスタートアップ・エコシステムの現在地などを紹介したり、VC解体新書シリーズと題して、言語化されていないVCの思考やシステムを紹介することができました。かなり多くの方からの反響もいただき、地道な情報発信の必要性を感じた1年となったのではないかと思っています。
2023年も示唆に富んだコンテンツを提供できるよう精進してまいりますので、よりいっそうのご愛顧(具体的には記事シェア・いいね・リツイートなど)いただけましたら幸いです。
今回は、ドーガン・ベータ・ラボ特別企画として、弊社4名のキャピタリストが、2022年の総括と2023年の抱負を語る「キャピタリスト年頭所感」をお届けいたします。
投資テーマ:2023年はDXの啓発期に
昨年の今頃、ネットメディアに「2022年は、DXというワードがガートナーのハイプ・サイクルになぞらえていうと『幻滅期』に入っていくのではないか」との予測を寄稿させていただいていました。
これは決して中小企業DXの潮流がぴたりと途絶えるとかそういうネガティブな見解ではなく、成熟に向けて新しいフェーズに移行するという意味で、コロナ禍を追い風に展開されてきた政府・自治体を含めた生産性向上の大規模キャンペーンで巻き起こったDXの「流行期」が一段落し、その概念の定着に向けてより具体的な成果が求められるようになることを想定しておりました。
この1年を振り返ると、それに限りなく近いことが起こったのではないかと思っています。
猫も杓子も..という表現が適切かはわかりませんが、「DXする」といったようなワードが一般動詞化した印象は強く、スタートアップのビジネスプランでも、特定領域のDXを起点に事業展開するようなパターンがより一般的になってきました。
そして、ハイプ・サイクルで幻滅期の次にやってくるのは啓発期です。2023年は地方も例外なく、新しいフェーズに進んでいくことは間違いなさそうです。
それを予感させる出来事を共有させていただくと、2021年に投資をさせていただいた、DX支援スタートアップのイジゲングループ(大分市)が、M&Aによって12月に西日本フィナンシャルホールディングス(FH)のグループ会社となりました。私たちとしては、想定以上に早いエグジットとはなりましたが、これまで以上のスピードでDXを啓発していく必要性を考えると、まさに最良のパートナーシップではないかと思っています。
https://ijgn.group/newsrelease/post/nnfh_ig_202212
地域エコシステム:スタートアップエコシステムの熱量伝播
また、2022年は福岡市の「スタートアップ都市宣言」からちょうど10年という節目の1年でした。この10年の成果については様々なメディアで議論になることもありましたが、マクロ経済が停滞し、地域間の経済格差が拡大するなかで、全国に類を見ない成果が上がっているのではないかと思っています。
実は、スタートアップ都市宣言の2012年は弊社の実質的な1号ファンドである「九州アントレプレナークラブファンド(約11億円規模)」の設立年でもあり、こちらのファンドも総決算の時期に差し掛かっています。過去に例のなかった地域特化型のシードVCファンドとして、貴重なトラックレコードを記録することができそうで、エコシステムが進化しているという何よりのエビデンスではないかと思っています。
特に、先ほどのDXの文脈もそうですが、地域が抱える課題をスタートアップのアイデアや技術、行動力によって解決していこう、というマインドが醸成され、スタートアップを歓迎する風潮が年々高まっている実感があります。先ほどの西日本FHさんの事例もそうですし、こちらの記事にもまとめましたが、地域経済とスタートアップとの連携の強さが福岡の地域エコシステムの大きな強みになっています。
そして、福岡から他地域へのスタートアップエコシステムの熱量伝播のような現象が起こっていることも見逃せません。
スタートアップ支援が結果的に地域の課題解決や経済活性化につながっていく、という福岡での実績を目の当たりにし、他の地方自治体が本格的なスタートアップエコシステム支援に乗り出している事例を多く目にするようになりました。
もちろんこのようなチャレンジは過去に無かったわけではないのですが、これまでとの大きな違いは、それぞれの地域固有の強みや課題をしっかり分析して、既存の起業家コミュニティなどとの対話を重ねて、地域に最適なエコシステムづくりが進んでいるというところです。
弊社としても、福岡以外の地域の起業家にスタートアップの方法論をインストールし、各地域でのエコシステムに貢献し、その萌芽の瞬間に立ち会いたいと思っています。
2023年の抱負
個人的には、VCのキャリアも15年を超えてきて、これまで地域という軸でたくさんのスタートアップに接してきました。また、2012年のスタートアップ都市宣言時点で、九州に拠点を置くベンチャーキャピタリストはほんの数名だったと思いますが、この10年でスタートアップ投資に関わるプレーヤーの数も劇的に増えました。
ドーガン・ベータとして、あるいはいちキャピタリスト個人として、起業家やエコシステムにどんな貢献ができるのか、あるいはどんな貢献をしたいのか、、といった部分を明確にする必要がありそうだと感じています。
2023年は、ファンドGPとしての投資哲学というか、そういったものを形にして、チームメンバーとも共有しながら、そこに魂を吹き込んでいくような作業をやってみようかなと思っています。
皆さんにもどこかのタイミングで披露できたらと思います。
2022年の投資は
新規投資が4件、追加投資が3件になりました。
2022年も多くの良い出会いに支えられた1年で、すべての方に感謝です。
ちなみに、新規2件、追加1件は赤瀬さんとの共同投資でした。一緒に動く時間は減りましたが、僕とは違ったアプローチで投資先のみなさんと接しているようで色々と楽しみです。
内訳は、2件がチャリで行ける範囲、1件は飛行機、もう1件は新幹線で行く距離の会社です。
2022年の目標としていた九州の他都市に出ていくというのは積極的に行えたものの、投資には至っていません。ただ、今年に投資させていただいた企業も2-5年ほど前の出会いが起点だったりするので関係性ができたのは非常に良かったかなと。
追加投資も引き続き行っておりまして、昨年は初めて4度目の追加投資を引き受けるという実績も解除されました。2020年に「シード期のFrom First To Last」という投資方針を掲げたのですが、少しづつそれを実現することができていて嬉しい限りです。
投資方針にトレンドはあるか
業種に関してはこの数年のトレンドを見ても様々なのですが、「業界の課題解決」というよりは、より生活者の視点で「顔の見える人の課題解決を積み上げて産業を変えていこう」というようなチャレンジを多く支援しています。
これは地方発のスタートアップに特徴的な動向な気がしていて、業界を代表する企業が集積している土地というわけでもなく、どちらかといえばそこで働くひとや、そのサービスを享受している市民が身近で、より手触り感よく産業課題に近づけるからなんじゃないかなと。
SMEを対象としたプロダクトも多く、利用企業も会社経営者というよりは生活者に近い視点で捉えるのが良さそうだなと思っています。
一方、そういったプロダクトについてはアップセルの余地が小さかったり、SaaSのような単一サービスだけだと売上が伸びにくいといった課題も出てきます。
そのため、単純なSaaSだけではなく、マッチング含めたマーケットプレイスと紐付けた展開、いわゆるSaaS Enabled Marketplace的なアプローチを描く企業が多くなってきました。この領域は、ロングテールな市場構造やエンプラとSMEとで戦略構造が全くことなることなど、いくつかの要件があって初めてSMEからの戦い方が正当化できると思っており、すべての地方発企業がこの戦略で戦えるわけではないということは補足しておきます。
ミクロな知見とマクロな構造把握が重要になるため経営の難易度は数段上がるチャレンジにはなるのですが、一方で見事に素敵な将来像を語ってくれる起業家も増えたように思います。
今年の抱負
Covid-19による世界的な混乱も相当なものでしたが、2022年におこったロシアによるウクライナ侵攻は、冷戦終了の直後に生まれた自分としては未だにうまく咀嚼のできない出来事でした。事業の面での影響ももちろん大きかったのですが、それ以上に、国家という単位の限界や、より小さな単位としての地域やコミュニティといったものをどう扱えば良いのか、色々と考えています。
2023年、少しでも早くこの事態が収束に向かうことを祈りつつ、これからの人の営みや集いというものがどうあるべきなのかについてより考えを深めていければと思います。
その意味でも、昨年に引き続いて自分の足で各地を回りながら現地の空気を吸う活動を行いつつ、DAOのようなより自律的なコミュニティの可能性や現実への適応も探求できればなと。
またVC業に関わって10年たち、メインでご一緒させてもらった企業も30社ほどになりました。これまでなかなか手が回っていなかった縦の繋がりや経験の移転といったものにもより取り組んでいきたいですね。
今年も頑張ろう!
2022年を振り返って
2022年にお世話になった方、ありがとうございました。いつも記事を書くときは、読んでくれる方を想定して何かしらの役に立つことを目標にしていますが、今回はせっかくなのであまり読者を気にせずに自分の書きたいことを書こうと思います。
2022年の自分を端的に振り返ると「延」でしょうか。よくもわるくも前年の延長だったなあという印象です。2021年が終わったときの2022年の終わりのイメージを超えてこなかったといいますか、イメージ通りの1年になってしまったということかもしれません。
ドーガン・ベータに正式にジョインしてからもうすぐ1年になろうとする昨年の1月、年頭所感に書いたことを乱暴にまとめると、積極投資を行っていきたい、と。
2022年は、新規投資4社・追加出資1社 の投資担当をさせていただきました。全ての会社が資金調達の発表をしてはおらず、ここでは詳細をお伝えすることができず残念ですが、ご縁をいただき改めて感謝するところであります。どの会社も確かなマーケットに解像度高く取り組む素晴らしい起業家・チームであり、2023年の活躍に期待しています。
新規投資の内訳でいうと、B向け2社・C向け2社のような割合になっており、意識せずとも結果的にバランスよくなりました。フェーズはシード3社、それ以降1社でした。領域もフェーズ感も、様々な方から相談をいただきます。2023年も特定の領域で投資をしていこうとは現状考えておらず、幅広くやっていければと思います。
投資決定に複数関わった一方、昨年は”投資担当者だった”1年だったなと反省もしており。投資を検討して実行の意思決定を行うまでのフローに慣れ始めてきたりした点はよかったと思いますが、スタートアップ業界のために何ができたかという点においてはあまり思い当たるものがありません。
投資させていただいた会社、1社1社ごとに投資の意義を感じておりますが、複数の投資を通して、自分の投資美学(美しさに関する独特の考え方や趣味)という軸を持つ必要があると感じております。それを追い続けるのがキャピタリスト人生なのは承知ですが、少しでも軸を言語化していく1年にしていければと。
2023年の動き
個人的な2023年の注目領域のキーワードとして「受動的レジャー」があり、この広がりが加速するだろうと考えています。余暇の使い方に関する仮説で、「自分の動きとは関係なく進むコンテンツ」「自由意志を働かせずに消費できるコンテンツ」のようなものに消費が集まる傾向にある、ということです。
例えば映像コンテンツを見る時、自分がどれほど能動的かとは関係なく映像は終了へと流れていきます。またコンテンツの取捨選択は本来能動的に行われているものですが、自動で消費するコンテンツが決まる時、受動的と言えるでしょう。AIによるレコメンド、コミュニケーションに参加するための半ば義務的な消費、といった要素がこの加速の背景にあると考えています。
しかし2023年では、あえて能動的レジャーに挑戦することができればと考えていて、その意味で注目している領域の一つです。能動的なレジャーには、満足感や知的生産への貢献といった面において優位性があると思っており、だんだんと受動的で済むものを好むようになりつつある世界への反抗に、起業家と一緒にチャレンジしていきたいと思っています。
2023年の抱負
前段でお話ししたように、スタートアップや経済を今という点で捉えたときに、自身ができる・すべき貢献について縦にも横にも広げていく1年にしたいです。この1年において、「赤瀬を見て憧れを抱いた人・VCでなんかやってみたいと思った人は1人もいない」という事実は重く受け止める必要があります。回り回って1年後、どこに到達しているかはわかりませんが、「投資担当者」から「キャピタリスト」への昇華は2023年の大事な要素の1つであり、ずらしてはならないものです。
今年の4月には24歳になります。孫正義氏は24歳で日本ソフトバンクを設立、リオネル・メッシ氏は3年連続のバロンドール受賞を果たしているそうで、そろそろ頭角を表さないとまずいというのが分かります。これまで投資させてもらった企業がきっと2023年に大きく成長するので、いい1年になることへの自信はありますが、自らの変化という意味でも重要な1年にしたいです。
そして最後に、2023年はとにかくドーパミンを分泌する1年にしたいと思います。1年を振り返ると、いい仕事をしているとき・自身に存在価値のある時はドーパミンが出ているということに気がつきました。ドーパミンを分泌できるような場所・時・人に触れていられるように意識して1年を過ごしていきたい、という決意です。同時に、今年はちょっとだけ感情を表に出していきますね。今年もよろしくお願いいたします。
2022年の投資や宮崎オフィス元年としての活動
2022年は新規投資はスポーツ選手をテクノロジーで支援するサービス「ForceSense」を開発する株式会社NineEdgeに投資をさせていただきました。「ForceSense」はアマチュアスポーツ選手向けのプロダクトで、スマートフォンやタブレットでプロレベルの映像解析やデータ測定機能を誰でも利用することができ、現在は野球向けのサービスが先行して開発が進んでおります。11月にはβ版をリリースし、来春以降には改善点のアドバイスやトレーニング提案など、チームで活用できる機能を実装予定で、今後の動向が非常に楽しみなスタートアップです。
既存投資先では、AGRIST株式会社へのプレシリーズBラウンドで追加投資をさせていただきました。ピーマンのAI収穫ロボットを開発するアグリテックスタートアップですが、ロボットに最適化された次世代農業を実現するための新しいフェーズで追加での支援をさせていただけたことを大変嬉しく思いますし、宮崎県民としての立場からも宮崎発のスタートアップとして大きな期待を寄せております。
投資をさせていただく機会をいただきましたNineEdgeの渡辺さん、AGRISTの齋藤さんにはこの場をお借りしてお礼申し上げます。
また、2021年12月に宮崎オフィスを開設しまして、宮崎でのスタートアップカルチャーを盛り上げるべく1年間活動をしてまいりました。
宮崎大学地域資源創生学部の土屋准教授にご協力いただきながら、宮崎大学の学生インターンの採用と学生コミュニティを作り、1年間「津野塾」と題し、定例で勉強会を開催してきました。参加者に対して、スタートアップへの興味や将来の選択肢として起業があるというところを理解してもらうといった一定の効果は得られたように感じておりますが、改善点やコミュニティの拡張など、様々な課題が浮き彫りになりました。
宮崎県以外の九州各県で自治体や金融機関主導でスタートアップ支援の熱が高まってきており、宮崎に拠点を置きながらも出遅れてしまったことへの反省や危機感を感じた1年でもありました。
2023年の注目領域
2022年を振り返ると、長引くコロナ禍に加えウクライナ機器や世界経済の不透明さなどの影響による株式市況の悪化を受け、スタートアップの調達環境も厳しい時期が続いておりますが、そのような状況下でもアップラウンドでの資金調達を実現しているスタートアップは勿論存在します。
私の担当先で言うとヘルスケアテックのAMIやアグリテックのテラスマイル(前述したAGRISTも同様)になりまして、両者ともに2023年の動向に注目しておりますが、遠隔診療などコロナ禍で急速にデジタル化が進むヘルスケアと業界の構造上、大きなイノベーションが起きてこなかったアグリテック領域は今後も大きな成長余地があるのではと考えております。
とはいえ、2022年に引続き、特定の領域に地方の特性を生かしたビジネスモデルや主要産業の課題を解決するようなソリューションが提供できるスタートアップには注目していきたいと考えてますし、デジタル化が進む産業においても課題は副次的に出てくるものだと考えておりますので、それぞれの産業の課題や解決するソリューションやその先の未来について起業家の皆様とディスカッションさせていただければ幸いです。
2023年の抱負
前述させていただきましたが、九州各県に遅れが生じている点について勝手ながら危機感を感じておりますので、学生を中心とした勉強会やコミュニティ作りは継続しつつ、自治体や金融機関、地元経済界へのロビー活動を行っていきたいなと考えておりますし、宮崎のスタートアップコミュニティの中心的な存在としてしっかり活動していきたいですね。
個人的な話になりますが、2023年は本厄の年になります…。特に健康面での配慮を心がけるためにもセルフマネジメントにも注力していきたいです。「津野は本厄だから…」という理由で相談が無くならないように、厄払いは勿論のこと、起業家の皆様に安心いただけるようなパフォーマンスをしっかり出せるよう精進してまいりますので、2023年もどうぞよろしくお願いいたします。
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