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半導体スタートアップTMH上場の裏側──3期連続の赤字で一度は上場準備を延期、逆風の中でCFOが大切にしたこと
ECプラットフォームとエンジニアリング力を武器に、国内外の半導体事業者をサポートしているTMH。2012年の創業から着々と事業規模を広げ、今期の売上は前期比で4倍となる62億円を見込んでいます。
そんなTMHは12月4日、東京証券取引所のグロース市場と福岡証券取引所のQ-Boardに上場しました。今回は代表取締役の榎並大輔氏と取締役CFOの関真希氏に「上場の舞台裏」をテーマに、上場準備にあたって苦労した点や意識していた点について伺いました。
聞き手は2017年にTMHへ出資して以来、株主として同社の成長を間近で見てきたベータ・ベンチャーキャピタル代表取締役パートナーの林龍平です。
2006年株式会社東芝入社
2012年株式会社TMH設立 代表取締役就任
大手事業会社、デロイトトーマツコンサルティング社にてサプライチェーン改革、M&A、コスト改善など多数の経営改革に従事。2015年にTMHに入社。現職では、管理部門の責任者として、企業価値向上に資する活動に従事。新規事業構想策定・実行、ファンドレイジング、評価制度・規程等の制度設計、内部管理体制構築、IPO準備等をリードしている。
大分発の企業としては6年ぶりのIPO
── 大分県に本拠地を構える企業としては久々の新規上場だそうですね。
関 : 報道によると県内では6年ぶり、9社目の上場企業になるそうです。
── 九州のVCとしては、大分からもTMHのような事例が次々と生まれることを期待しています。そのためには何が必要なのか。スタートアップのファイナンスに携わる立場からも、できることがもっとあるのではないかと改めて感じました。
関 : そうですよね。TMHの場合は2016年から資金調達に向けて動き出しました。当時はVCが今ほど多くはなかったですし、大分という地域性もあって、相談できる相手が限られていたんです。現在はスタートアップへの注目度も高まり、投資家も増えているため、調達環境が良くなったように思います。
一方で欧米と比べると起業する人がまだまだ少ないですし、スタートアップのイグジットの手段がIPOに偏っている点も変わっていく必要があると感じます。日本でもM&Aの事例が徐々に増えてきてはいるものの、まだまだ圧倒的にIPOの方が多い状況ですから。
── 確かにVCから資金調達をした時点で「IPOへのレールが敷かれる」というイメージを持っている人がいるかもしれません。
榎並 : 特にある程度バリュエーションが上がった段階でのM&Aについては、相手先の選択肢が限られますし、前例も少ないことから実現のハードルが高いのが現状ですよね。私たちも資金調達に動いていた際は、事業をしっかりとスケールさせてIPOを目指す方針を固めていました。
── 御社では2017年に初回の資金調達を実施していて、その際に私たちからも出資をさせていただきました。当時のファイナンスを振り返っていただけますか?
関 : 最終的にベータ・ベンチャーキャピタルさんと大分ベンチャーキャピタルさん、海外のエンジェル投資家から出資いただきました。もちろん交渉をしていた全ての投資家からオファーをいただいたわけではありませんが、思っていたよりはスムーズに進んだという印象です。
初回のファイナンスの時から、自分たちなりにIPOまでを見据えた計画を立てていました。具体的には調達のタイミングとバリュエーション、普通株か種類株かといった株式の種類、投資家の役員就任の有無などについて基準を決めていたんです。
例えば2017年のタイミングでは普通株での調達を決めていたので、種類株を望む投資家とは条件が合わず、合意に至らなかったケースもありました。
── 普通株での調達というのは、M&AよりもIPOを重視されているという意思表示でもあったわけですね。
おっしゃるとおりです。ただ、ずっと普通株にこだわっていたわけではありません。実際に2回目のファイナンスでは種類株を発行して、バリュエーションも上げました。2017年には1株12万円(時価総額約14億円)だったところを、 翌年には30万円(同39億円)にしたんです。3回目のファイナンスでも契約内容はほとんど同じで、株価は1株38万円(同約50億円)にしました。
業績が伸び悩み、一度は上場準備を延期
── 最初の資金調達からこれまでを振り返って、関さんが1番大変だったことはなんでしょうか?
関 : 個人的には、事業が計画通りに進まなかった時が1番辛かったです。自信を持って作った計画でも、実際には予定通りに進まないことが多々ありました。投資家の方々は自分たちを信じて出資してくださったわけなので、きちんと還元できていないことに対して申し訳なく感じていました。
── 僕がTMHに投資して良かったと思えた理由の1つが、厳しい状況下でも関さんが丁寧な説明を続けてくれたことです。計画通りに進まなかったのは仕方がないとして、その原因や現在の状況、今後の対応まで誠実に説明いただけたことで、強い信頼関係を築くことができました。関さんは常にステークホルダーとの「約束」を大事にされる方だと感じました。
関 : 資金調達ももちろん力を入れていましたが、既存の株主との関係構築はすごく大切にしていました。
また事業が思うように進まない時期には、社内でも「IPOの意義」について議論が起こることがあるんですよね。時にはネガティブな気持ちになってしまった時もありましたが、社員に対しても丁寧な説明を続けるしかないので、根気強くやっていました。
榎並 : 業績が良くない時は、どうしてもそういった空気が生まれやすいですよね。売上は成長を続けていたものの、2017年から3期連続で赤字が続いている状況でしたから、必然的にこの業績のままではIPOは難しいという話が出ていました。
── そのような背景から、進めていた上場準備を一度中断することになりましたね。
関:人間の心理として、「一度投資したものを引く」のは簡単ではないですよね。僕の場合は、その状況下で無理やり手を引こうとしているような感覚でした。
野村證券と主幹事契約を結び、時間をかけて上場準備を進めてきた中で、その契約を自ら取りやめなければならない。それまでの歩みとは真逆の方向に進まなければならず、精神的にも大変な仕事でした。
ただ、社長が「会社として一時的に縮小してでも、やり直す」という明確な意思決定をしてくれたことが大きかった。自身の役員報酬も削減するなど、強い決意を示してくれたので、管理部門としては粛々とやることをやるだけでした。
── 上場準備をやり直すにあたり、苦労された部分も多かったのではないでしょうか。
関:実務的な面では主幹事探しに苦労しました。近年は「監査難民」 や「証券難民」が課題となっていますが、私たちも同様の壁に直面しました。
── 監査法人が見つからない問題に関しては改善の兆しが見えてきたいう話も聞きますが、証券会社に関しては依然として多くのスタートアップが苦労している印象です。
関:私たちの場合は、もともと野村證券と主幹事契約を締結していました。合意解除はしたものの 良好な関係性であったことから、野村證券も有力候補として考えていたんです。一方で、事業成長のタイミングと上場時期というのは密接にかかわります。我々が上場したいタイミングで上場を後押ししてくれる証券会社を探していました。
そんななかで福証(福岡証券取引所)さんから紹介いただいた1社がSBI証券だったわけです。それ以前にSBIインベストメントから出資を受けていたため、SBIグループとの接点はありましたが、ご紹介いただいた別ラインの方とコミュニケーションを深められた結果、主幹事をお願いすることができました。
── そのような背景があったんですね。上場審査において苦労された点はありましたか?
関:予算統制ですね。特にTMHは直近で事業が急拡大していて、前期の売上17億4000万円に対し、今期は60億円超を見込んでいました。
私たちとしてはその見通しに基づいて予算を立てていましたが、過去の実績とは乖離があるため、「本当にそうなのか、蓋然性はあるのか」と思われてしまうわけです。そういった中で期初予算を見直し、計画以上の急成長の際には修正をしていく。その実務は大変でした。
IPO準備においては、売上・利益の下振れは主幹事証券からネガティブに捉えられ、永遠に中間審査に入れないということすらあります。それは1回目の野村證券との上場を目指す過程で嫌なほど理解していました。結果的に、8割方60億円程度の売上になるだろうと思っていても、蓋然性が低いのであれば、保守的に計画を作ろうとしました。そのため、当初は32億円の売上計画にし、全てがうまくいって本当に60億円超の売上になるのであれば、期の途中で上方修正するかたちの予算としました。今振り返ると、この考えは正解だったと思います。
ただ難しいのが、あまりに保守的に作りすぎてしまうと「これでは上場できないので上場時期をもう少し後ろにしましょう」ということになってしまいかねない。幸いなことに、当社の場合は事業が大きく伸びたので、その点は追い風でした。
「翻訳役」として社内のコミュニケーションを円滑にする
── 上場を経験されたスタートアップの方々に上場準備期間の苦労話を聞いてみると、2つの話題がよく挙がるんです。1つは先ほどのお話にもあった業績に関わる話。もう1つが上場準備に伴う新たな業務に関する話です。
榎並 : 上場会社になるためのあらゆる管理基盤の構築は、関さんが「全部任せてください」と一手に引き受けてくれたおかげで、私はとにかく業績を向上させることに集中できました。
関 : 規程が一つもない会社でしたので、1から50個くらいの規程もつくりましたし、人事評価制度設計、JSOX/RCMの構築、基幹システムの導入、管理会計制度の導入…。その他にもあらゆる部分でやるべきことがありました。
── そこを完全に任せられる存在というのは、非常に心強いですね。
関 : 確かに直近の数カ月は上場準備に伴う業務が増えていたので、特に管理部門のメンバーは大変だったと思いますし、多少のストレスはあったはずです。
そのような中で私が心がけていたのは、自分からコミュニケーションを積極的に取ること、そして「みんながコミュニケーションを取りやすい雰囲気を作る」ことでした。社歴が長く、経営陣や管理部門のメンバーと近い距離感で仕事をしてきた経験を活かし、社内の「翻訳役」になれればと考えていたんです。
特に入社したばかりのメンバーは、最初は経営陣や他部門のメンバーと距離感があり、意思疎通に苦労することもあるだろうと。幸いなことに、私たちのチームには自律的に考えて行動できるメンバーが揃っていました。コミュニケーションさえ円滑であれば、着実に前進できるという感覚がありました。
── ある意味、関さんが「緩衝材」となってみなさんの声を受け止めることで、メンバーが過度なストレスを抱えることなく、同じ目標に向かって推進できる環境を整えたわけですね。
関 : 会社の中の「見えない声」を拾えるようにしたいと意識していました。人との距離が縮まると、「気になっていたけど、言い出せなかったこと」でも気軽に相談しやすくなると思うんです。そのために、管理部員全員と毎週1on1をするようにしています。
「ファイナンスだけしかやりません」ではスタートアップのCFOは務まらない
── 関さんは管理部門の1人目のメンバーとして2015年に入社されたんですよね。TMHとの出会いのきっかけを教えていただけますか。
関 : インターネットのハローワークページでTMHの求人を見つけ、興味を持って会社のinfo@宛にメールを送ったのが始まりです。その後、社長と東京で話をして、2015年に入社をしています。最初にメールを送ったのは入社の約1年前だったと思いますね。
榎並 : 2014年のことですね。当時は管理部門の担当者が1人もおらず、私自身で管理業務もやっていました。そんな時に関さんと出会って「こんなに優秀な人がいるのか」と驚いたことを覚えています。
── 関さんはTMHのどんなところに魅力を感じたのでしょうか。
関 : 以前から半導体業界への関心があったんです。新卒で就職活動をしていた時に半導体関連の企業から内定をいただいたため、業界研究をしていました。コンサルティング会社に在籍していた際も、半導体のプロジェクトに携わったことがあります。そのような経験から、これから伸びていく市場だという認識があったんです。
実際に社長と話をしてみて、同年代で活気がある経営者と働けることに魅力を感じましたし、会社として大きな可能性を秘めているものの「現段階ではまだ何も確立されていない」ことにも惹かれました。
当時のTMHのホームページは正直「古臭い」印象で不安に感じていた部分もあったのですが、いざ話を聞いてみると面白そうな環境だなと思ったんです。
榎並 : 自分が目立つのが好きではなくて、当時は検索してもあまり情報が出てこないようにしたかったんですよ。
──2017年の出資時ですら、シンプルなサイトだったように記憶しています。榎並さんは関さんと初めて話をされた時のことで、印象に残っているエピソードはありますか?
榎並 : 技術系のバックグラウンドがないにも関わらず、「販売管理システムくらいならスクラッチでプログラミングして作れます」と言われたことです。最初は半信半疑でしたが、実際に作りあげてしまう行動力には驚かされました。
関 : 入社前に私が見ていた募集要項には国際業務としか記載がなく、管理業務の専任者を探していたわけではなかったんです。私自身、英語は使えるものの、それが専門というわけではありませんでした。どうすれば専門性を活かして貢献できそうかを考えながら話をしていると、経理面の実務的な悩みが出てきた。そこで「こういうことに困っていませんか?」「それだったらスクラッチでシステムを作れますよ」と私から提案したんです。
榎並 : そうでしたね。最初から管理部の人を求めていたというよりは、関さんと話しているうちに、このような人が会社に入ってくれたら助かるなと感じるようになりました。
関 : 管理基盤を作ることには自信があったので、「私が管理業務を全部巻き取ります」と。ただ半導体の技術面や営業に関してはわからない部分も多いので、そこはお願いしますと伝えて役割分担をするような形で入社しました。
入社1年目のときはスクラッチで販売管理システムを構築しながら、売上や仕入集計といった経理業務もやらねばならないため、かなり神経を使っていました。販売管理システムを導入した当日は、会社に泊まり込んで昼まで仕事を続けていました。
── 関さんはファイナンスに関わる業務だけでなく、会社が良くなるためにできることはなんでもやるという考え方ですよね。
関 : スタートアップのCFOという観点では、いわゆる「会計」だけでは不十分だと考えています。ベースとして会計の知識は必要だけれど、公認会計士の人が「ファイナンスだけをやります」というのは、もう少し後のフェーズの会社だと思うんですよね。
TMHは現在50人ほどの規模ですが、そのくらいの段階のスタートアップにおいては「自分が全部巻き取る」くらいのマインドで臨む方が、大きな価値を生み出せるのではないかと感じています。
榎並 : 実際にこのような役割を担える人はそうそういないですよね。今振り返っても、関さんがいなかったら上場は実現できなかったと確信しています。
本気で「投資先の企業価値を向上させよう」と考えてくれる投資家か
── TMHは創業から数年間は自己資本で事業に取り組み、2017年以降、さらなる成長に向けて複数回の資金調達を実施されています。VCとの関わりの中で印象に残っていることはありますか?
関 : 印象に残っているのは「本気でTMHの企業価値を向上させよう」という姿勢でサポートしてくださった投資家の存在です。特に初期から支援してくださっている林さんたちや大分ベンチャーキャピタルさんは地理的に距離が近いこともあり、人や機会の紹介を始めさまざまな提案をしてくださった。それが新たな出会いや事業成長のきっかけにもなりました。
── まさにそれが地域にVCが存在している1つの意義なのかもしれませんね。僕たちは大手のVCと比べると1年間の投資件数は多くありませんが、関さんがおっしゃったような価値を提供し続けることで、数ある投資家の中から選んでもらえる存在にならなければという想いを持っています。
関 : 誰から出資していただくかを考えるにあたって、「自分たちの企業価値向上に真摯に向き合ってくれるか」という観点は大切だと思います。特にTMHと同じような地方発のスタートアップの方々には、地域に根差した投資家に応援してもらうことのメリットを知っていただきたいですね。
── 東京の大手VCや事業会社ならではの良さがある一方で、地域特有のファイナンスの形があっても良いと思うんです。例えば大分ベンチャーキャピタルさんは地銀系のVCではあるものの、外部の投資家からもお金を預かって、スタートアップへ投資をされている。このように強い意志を持った投資家が九州にも増えているので、「地元コンソーシアム」のような形で力を合わせながら、九州のスタートアップの成長を後押しできればと考えています。
インタビュー後記
今回は、創業期からTMHを支えてくれた関さんのお話をメインに伺いました。
やはり創業期のスタートアップは圧倒的にリソース不足であることが多く、僕たちがそのフェーズの起業家と話しているときに、「ファイナンス・予実管理・内部体制構築などを一手に引き受けてくれる人材がいればなぁ」という思いに至ることは多いです。事業が伸び始めているようなフェーズでは特にです。たぶん僕はそんなとき、自然と関さんの顔を思い浮かべている気がします。彼はそれくらいのスーパーマンだと思います。それら全部をこなしつつ、新規事業のリーダー、さらには悩んでいる社員の方の話し相手までされているということで、影武者でも存在しているのかと疑いたくなるレベルのご活躍です。
そんな関さんが、10年前、ハローワーク経由で榎並さんにコンタクトしていたというのが改めての驚きで、冷静に自身の実現したいことや、貢献できることを分析し、これからのキャリアをデザインする過程でTMHを発見し、そこに飛び込んで成果を挙げる、プロフェッショナルの行動そのものだと思います。ぜひともこれから、九州・大分のスタートアップエコシステムに欠かせない存在として、その視座を後進の起業家やCFO人材にも伝え広げていただきたいと思いました。最後までお読みいただきありがとうございました。
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