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βvc 年頭所感 2026:九州を回って見えた「出会い方」と2026の抱負
新年あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。楽しみにしてくれている方もいるとかいないとか、年頭所感でございます。ここ数年、文字での配信を行って参りましたが、2026年、最初のチャレンジということで、Podcast形式で配信をする運びとなりました。
初めての試みとなりますのでお聞き苦しいところもあるかとは存じますが、β venture capitalに所属するキャピタリスト4名が思い思いに話しております。お時間のある時で構いませんので、是非ご笑聴ください。
(以下、文字で読まれたい方に向けた文字起こしでございます。)
オープニング:ナンバー0でいきましょう
麗斗: 『ともに、未来が生まれる風土を』この番組は九州に根ざすベンチャーキャピタル、ベータ・ベンチャーキャピタルがお送りしております。ということで、あけましておめでとうございます!
林 : おめでとうございます。
津野: おめでとうございます。
赤瀬: おめでとうございます。
麗斗: いやあ、始まりましたね。ベータ・ベンチャーキャピタル、ポッドキャスト……ナンバー0ってことでいいですか?笑
林 : そっすね。
麗斗: 1にすると、なんか次に続く感じがしちゃうんで。
林 : いや、もう緊張してますね、これ。
津野: おお。
麗斗: 僕も個人でポッドキャストやってるんですが、第1回をいま聞くとめちゃくちゃ緊張してるんで笑。今日は先輩として、いや、先輩ポッドキャスターとしてリードしていければなという風に思っております。じゃ、ナンバー0、新年明けましておめでとう版ということで。
年頭所感→ポッドキャストへ:2025振り返りと2026抱負
麗斗: 今までね、年頭所感っていうのを我々オウンドメディアで配信しておりまして。キャピタリストそれぞれが「去年どうだったか」「今年こんな感じにしたいよね」「注目してる産業ここです」みたいなのを書いて出すっていうのをやってたんですが、何年やりましたかね。
林 : 4人でやったのは…… 3年はやってますよね。
赤瀬: 3〜4年ぐらいかな。
麗斗: 3年やって、いや3年でマンネリっていうのもおかしな話なんすけど。ちょっと「文章じゃなくない?」みたいになって、今このポッドキャストの収録をしております。ということで、ベータ・ベンチャーキャピタル、2025年振り返りと2026年抱負的なのを配信できればなと思っております。よろしくお願いします。
林 : はい。お願いします。
赤瀬: お願いします。
津野: お願いします。
2025総括:新規面談が過去最高、でも投資件数は減少
麗斗: 早速なんすけど、25年の振り返りをまずしたいんですが。ちょうど我々ファンドの決算を半期で締め終わって、その報告会がちょうど先週終わったばっかりでじゃないですか。そこで今年こんな感じでした、って振り返ったんですけれども。今年は結果着地で言うと新規面談が過去最高になりましたかね。
林 : そうですね。増えましたね。
赤瀬: ほう。
麗斗: いや、去年と一緒かな?……あ、違う。1件多いわ。まあでもそれぐらいっすね。投資面談件数はちょこちょこと増えているっていう1年だったんすけど、実感的にどうでした?
林 : イベントっていうか、僕らも2024年からβweekと題して九州いろんなところ回って、起業家とワイワイやるみたいなことをやったりとかが多かったですよね。あの辺が結構増えてる要因かなって感じはしてます。
ベータウィーク:無料相談会が“入口”として効いた
麗斗: このβweek、僕らがそれぞれの地域に2〜3日お邪魔させてもらって、「無料相談会」って銘打ってるイベントですね。VC相談会じゃなくて、無料相談会っていう。
林 : まあ、お金取ることじゃないっす。
赤瀬: Podcastだから、ここからね、説明しないと。笑
麗斗: 無料相談会って言うと、VCのことをちょっと遠く感じてる人とかも来てもらいやすいっていうのが、この1年でよく分かったことだったなと思いますね。リストを見てみると、確かに結構ここ経由で来てくださった方が多かったですね。1割以上いるっていう感じかな。
林 : 多分…… 何箇所回った? 6箇所?
麗斗: 6箇所ですね。
林 : 6箇所で、多分60件ぐらいは起業家の数ベースで言っても、そこでお会いしてるかもって感じですよね。
麗斗: それで言うと、それ以外のベースライン件数は減ってるってことすかね、もしかしたら。
赤瀬: かもしれないっすね。
麗斗: 実感としてやっぱ減ってきてるなって感じたので始めたところもありますね、βweek。今年で2年目。ちょうど1年半ぐらい経つのかな。
九州を“コンプリート”:地域の幅が広がった
麗斗: 福岡市、宮崎市に住んでると地域の案件は接点多いんですけど、それ以外の地域がなかなか知ってもらえる機会が少ないので減りがちでしたよね。今年は会えた起業家の地域の幅は広がりましたよね。
林 : 2025年にようやく九州全部回りました、みたいな状態になりましたね。最後、11月に佐賀に行って、全部コンプリートみたいな感じになったと思うんですけど。
麗斗: ああ、そうか。
林 : もう鹿児島とか熊本とかは2周目やってます、みたいなとこだし。
赤瀬: そうですそうです。
2025年は「宮崎やってない」「福岡もやってない」:次の行き先の話
津野: それで言うと、今年は宮崎まだやってないんです。だから2026は宮崎で、ぜひやりたいなと思ってます。
林 : 1発目じゃあ宮崎で。
麗斗: 今年で言うと福岡もやってないのか。2024年は、福岡で…… 結構「福岡」って僕ら言ってるけど福岡市ですもんね。市を一歩出ると、やっぱりお会いできてない方結構多かったなっていうのは正直ありましたよね。北九州もまだやれてないし、山口県もやれてないのか。やらないとですね。(注 : 弊社では沖縄・山口も九州圏として良くお邪魔しています。)
麗斗: もしこれお聞きの北九州及び山口県の方いらっしゃったら、我々2〜3日開けて飛んできますんで、ぜひお願いします。お声がけのほどを。
場所選びが難しい:県庁の“オフィシャル感”が効く
赤瀬: 場所の選定が意外と難しいっすよね。どこでやるかって。「ここがいいよ」っていうのとセットで教えてもらえると嬉しいです。
赤瀬: 今年も県庁とかでやったじゃないですか。佐賀県庁やった時は、相談来てくれた方から「県庁だったら安心かなと思ってきました」みたいな結構言っていただいたんで。
林 : 鹿児島もそうだよね。
麗斗: なるほど。
林 : オフィシャル感がやっぱり必要かもって話っすね。
赤瀬: 「ベンチャーキャピタルってなんか怪しいと思いましたけど、県庁がやってるんだったら怪しくないだろう」みたいな。
麗斗: βweekやって、久しぶりに「ファンドって怪しい」みたいな、福岡だと最近聞かなくなったあれを聞くことが増えて。それだけ身近じゃないんだなってのは、行く度に感じますよね。
“地域課題解決”の熱量:大学生から年配まで幅がある
林 : 地域で投資やっていると、いわゆるスタートアップやりたい人以外で、地域課題解決とかそういうテーマで彼らなりのチャレンジをしてる人たちと一緒に「スタートアップやってみませんか」みたいなのをしてる瞬間が結構楽しくて。大学生とかもそうかもしんないですけど、βweekはそういう意味で僕らも元気になれるっていうか、そういうところありますよね。
麗斗: 確かに。年齢の幅もちゃんとあっていいですよね。若者ばかりとか年齢高めの人ばかりじゃなくて。それぞれの地域で若い方から年齢高い方も、女性も男性も。APUでやった時は外国ルーツの方もめちゃくちゃ多かったですしね。非常に勉強になった会でしたね。
CIC福岡とサーズデイギャザリング:毎週の“ミニβweek”
麗斗: 今年後半のトピックで言うと、ついに福岡市もCICがオープンしましたよね。天神交差点ど真ん中の角どっこにあるワン・フクオカ・ビルディングっていう新しいビルに。オフィスエントランスの入り口が6階にあって、モダンなビルだなって毎回行くたびに思うんですけど。6階がほぼワンフロアイベント会場みたいな感じになってて、そこのオープンスペースをCICの方々が貸し切ってるんですかね。連携してやられてるサーズデイギャザリングっていうイベント、毎週木曜日そこで4時間ぐらい……?
林 : 4時から8時とかじゃない?
赤瀬: うん、4時〜8時。
津野: そんな長いんだ。
麗斗: すごいっすよね。毎週。
麗斗: そこに我々も一席設けていただいて、こちらも無料相談会をやると。毎週やってますって意味でのウィークリーですよね。βweeklyみたいになってますけど。笑 ここがまた、今まで出会えなかった人たちとたくさん出会えている感じがあって、手元の資料だと新規案件ベースでは8件かな、「CICのサーズデイギャザリングで会いました」っていう人が載ってたりしていて。
林 : ミニβweekっすね、これ。
麗斗: 投資を求めていない方とのコミュニケーションも含めると、毎回行くたびにいろんな人と話せてますよね。
CICは“コミュニティのハブ”になってる感
林 : (イベント会場が) CICやオフィスフロアに入る時に通る場所でもあって、そこに出入りしてる人と久しぶりにお会いできたりとかもあるし。集まってる人たちもFGNとはちょっと違う感じで、外国の方とかもよく来てるし「福岡のスタートアップってどうなの?」って外国の人に聞かれることも結構あったりして。エコシステムのフェーズ変わってる感がすげえ感じられますよね、あそこは。
赤瀬: 高校生の方とかもいらっしゃってたりするし。
麗斗: 僕で言うと2014年にスタートアップカフェができた時に、ほぼ週7で出ずっぱりだった頃に「あそこをどういう場にしようか」を運営メンバーと議論してたの今も覚えてるんですけど。施設がコミュニティ作っちゃうと閉じちゃうんで、色々なコミュニティのハブやルーター機能を持たせようよ、みたいなのずっと議論していた記憶があって。なんかCICはそれになってるなって感じしますよね。毎週イベント4時間もやってると、いろんなコミュニティが自然と集まるというか。常連の人もいれば、新規の人も常にいる、みたいな。
名札に参加回数「1」「2」…:毎回初参加がいる仕組み
麗斗: サーズデイギャザリングには赤さんが一番行ってんじゃないかなと思うんすけど、ナイスポッドキャスト向きエピソードないですか?
赤瀬: サーズデイギャザリングって、我々は一席だけ設けてもらって相談会やってますけど、本筋はそれじゃなく毎回毎回ワンテーマが決まっていて、ちゃんとセッションが行われてるんですよね。メイン会場ではちゃんとセッションが行われていて、我々はその横で勝手に相談会やってるっていう立場なんです。
赤瀬: テーマが毎回変わっていて、そのテーマに合わせて登壇している人がいる。登壇に来る人は大体初めて来られる方々っていう。
麗斗: CIC初めてってことですよね。
赤瀬: 行ったらチェックインの時に名札をもらうんすけど、その名札に参加回数も書かれてるんですよね。 (1) とか (2) とか。
林 : そうそうそう。
赤瀬: 常に「1」って書いてる人がいるから、毎回毎回初参加の人がいるっていう。
麗斗: それを見ればいいのか。
林 : 主催者がいろんなイベントを呼び込んでるから、コミュニティが混じっていくっていうか。同じ日に全然違うやつを3本とかもやってますよね。焼酎のイベントやってたと思ったらAIの話に変わってるとか。
津野さん「まだ行けてない」→2026の抱負に直結
麗斗: もしかして津野さん、サーズデイギャザリングまだ未参加? 名札の数字で言うと (0) なのでは。
津野: いや、そうなんすよ。超恥ずかしいと思いながら。「ちょっと行かんといかんな」っていう。かなりレアだと思うんで、出現率で言うと。
麗斗: ぜひ。2026の抱負、早速ですね。
宮崎の「MOC(宮崎オープンシティカウンシル)」って何?
麗斗: 場所で言うと、宮崎に「MOC」もできたじゃないですか。あれ25年ですよね。あれはどういう施設なんでしたっけ。
津野: 元々は民間とスタートアップ含めたオープンイノベーションを支援したいっていうところで、スタートアップだったり民間企業がしっかり集まるコミュニティの場として作られたっていうのがMOCになりますね。宮崎市が肝入りでやってるっていうような形になっていて、市も結構な頻度でイベントやってたりとか。スタートアップに限らずですけど、そういう文脈でのイベントも結構やっていて、そこに人が集まるコミュニティには少しずつ育ってきてるんじゃないかなっていう風には思います。
麗斗: いいっすね。それで言うと僕、逆に25年は宮崎1回も行けてないんすよ。九州11回、各県に行ったんすけど宮崎だけなくて。行かなきゃな。
新規投資は「5件」:前年7件から▲2件の減少
麗斗: いろんな人に会えたなって思った1年ではあったんですけど、一方で新規投資の件数、これ言って大丈夫なんすかね?……去年は5件でした。その前の年が7件なので、減ってますね。減ってるなっていう実感はあったけど、数字で見るとやっぱ減ってましたっていう結果になってるんですけども。25年どうでしたかね。
林 : 確かに潮目の変化みたいのは感じる時があったなっていうのはありそうかな。僕も投資してる案件で言うと、いわゆるスタートアップって言ってない人に、ちょっと違う世界の人とスタートアップの話をしながら一緒にやっていこう、みたいになった例が結構多いなって感じでした。若手起業家みたいな数で言うと、だんだん福岡以外には広がっている感じはするけど、「新しい出会い」って確かにあんまりなかったかも、っていうのはどうすか?
赤瀬: 福岡市でってことですよね。
応募は増えてる?:FGNのプログラムは過去最高応募
赤瀬: FGNのエリートブートキャンプのアクセラレーション/インキュベーションプログラムだと、応募数が100件弱ぐらい、90何件ぐらいまで応募されてるっていうので過去最高っていう話は聞きましたよ。必ずしも減ってるわけじゃないのかなとも思いつつ。
麗斗: そうですよね。会っている件数が減った感じではないですけど、スタートアップ一辺倒ではなくなってるのは感じますよね。
VCだけが手段じゃない:資金調達の多様化と空気感
麗斗: 新事業とか新創業みたいなレイヤーで言うと多分むしろ増えてるんだと思うんですけど、いわゆる「ベンチャーキャピタルから受けるのだけが手段なんだっけ」みたいなのは空気感としてありますよね。だから我々の投資に結びついてはいないが、色々ディスカッションさせてもらった企業が多かった気がする。 VC以外の資金調達手段も充実してきたんですかね。地域だとどうなんだろう。
林 : 例えばエンジェル投資家とか、あるいはデットでの資金調達とか、そういう話?
麗斗: 借り入れもしやすくはなってますよね、年々。あとソーシャルスタートアップみたいな文脈だと、福岡市は納税でマッチングの補助金が出るみたいなのも出てきていて、あれすごいいい仕組みだなと思って見てますけど。いろんなところから、お金はなんだかんだ必要なんで、いろんなお金の出し方をしてるなって感じましたね。
赤瀬: 例えば大学とかに呼ばれて資金調達(のいろは)について話するじゃないですか。VCとは何か、みたいな話す時に「資金調達ってどんなのがあるか知っていますか?」って問いかけると、割とクラウドファンディングが先に出るようになってきて、一般化されてるんだなって思いますね。
麗斗: 確かに。
マーケットの変化:上場市場の変化が未上場にも波及
麗斗: 今年はマーケットも変わった1年でしたよね。上場市場もそうだし、どちらかというと上場市場が変わったことによる未上場の市場もだいぶ変わったなって気はしていて。僕らも投資検討減ってますけど、多分減ってるファンドも多そうですよね。
林 : 特にレイターステージの投資とかだと、今の株価こうだけど、これどうなるんだっけ、みたいなのはきっとあるだろうなって感じだし。僕らが投資させていただいたタイミングから次のタイミングまでに株価が成長する期待を込めてご一緒するのが基本なので、1年後2年後に計画しているこの数値が達成されても、本当にこの条件で次の調達ができるんだろうか、みたいなのは見通しにくくなりましたよね。
投資判断の「3つの壁」:フィーリング/事業/条件
麗斗: 投資の意思決定っていろんなファクターがあるじゃないですか。最近聞かれた時に「3つのハードルがあります」って答えてるんですけど。10年一緒にやれるかっていう、お互いのフィーリングが合うかっていうハードルが1個目にあって。そもそも事業としてスケールするのか、伸びるのか、利益が出るのか、みたいな事業の壁があって。最後に条件の壁がある、みたいな言い方をしていて。この最後の条件のところで合わない、みたいなのも増えてきてる印象はありますよね。
林 : 何年か前だと、来年再来年ぐらいに3億5億とか、もっとでかい額でガツンと出してくれる投資家もいそうだし、スケールみたいなとこまでクリアできてれば、条件どうにかなるんじゃない、みたいなノリはあった気がするけど。直近はそこを相当シビアに考えとかないと、そこで資金が尽きちゃうんじゃない、みたいな話があって。そこから逆算すると今の条件ってこれでいいんだろうか、みたいな議論ですかね。
既存投資先の変化:コストを上げずに売上、単月黒字の報告
麗斗: 一方で、もうすでに投資させていただいたところに対してで言うと、各社が努力をして、コストを上げないまま売上を上げるみたいなチャレンジして、単月で黒字が出ました、みたいな先は増えましたね。黒字にならなくても直前まで行きました、みたいな話とかも多くて、戦い方変わったなっていうのはひしひしと感じますね。
林 : やっぱ何よりも資金調達環境ですよね。ある意味、スケールともしかしたらトレードオフになっちゃってるのかもしれないけど、雇用を作って売上を立てて、みたいなことを着実にやっていく意識付けっていうか。各社の起業家の顔つきを見ても、より強くなってるんだろうなっていう。これがスケールとトレードオフになってないといいなっていうのは正直あるんだけど、でも地域から頑張ってるっていう意味では頼もしいっていうか、そんな感じはありますね。
起業家のアップデート速度:VC側が学ぶ1年
林 : 津野さんの投資先でも最近、農業系のスタートアップでもう利益出てきます、みたいな話があったりとかって聞いてると、いいっすよね。
津野: そうっすね。でも本当、起業家から僕らも結構学んでる部分ってあるなっていうのがあって。いい意味でも利益志向になってきてはいるんだけど、これって多分いろんな起業家がいろんな投資家からいろんな話を聞いてそういう判断に至ってるっていう中でも、僕らより情報のアップデート早いんだろうな、みたいな。そういった意味ではすごい勉強になった1年だったなっていう感じはしましたね。
麗斗: 確かに。林さん、津野さんは平気で10年ぐらい前の投資先とかがいるから、起業家側が波を何回か乗りこなして今、みたいなタイプの人もいらっしゃいますもんね。赤瀬さんの担当先で言うと、一番古い会社で5年ぐらいですかね? 逆に言うと、入社から5年経ってんのか。
赤瀬: 5年経ったんじゃないですかね。
林 : 環境的にはすごい良かった時からこの5年間って感じだよね。
「シリーズAが怖い」からの変化:なんとかしてくる信頼
林 : 数年前の方が (投資先の) シリーズAが怖いって言ってた気がするけど、最近あんまりそういうの言わなくなった。
赤瀬: ある意味で起業家を本当に信じられるようになった、みたいなのは成長としてあるかもしれない。 (大変そうでも) なんとかしてくるし、そもそも、なんとかできそうな人に投資してるから、みたいな、自分への信頼もちょっとあるかもしんないし。
林 : なるほど。経験みたいなとこもね。
麗斗: 信頼してもらえるようになって、ようやくこっちが信頼できるようになってるってのもあるかもしんないですね。
林 : おお、なるほど。
2026へ:ノーアジェンダの「抱負タイム」
麗斗: 2025年で言うと投資先も色々波があるんで、いいところも大変だったところもたくさんあると思いますが、総じていいコミュニケーション取れたなって思いますね。この話してるとエンドレスで終わらなくなるので、ここらで新年らしく2026年に向けた話をしたいんすけど。こっからはノーアジェンダなんですよ。
林 : そうなんですよね。年頭所感に書いてたやつを考えなきゃいけないって話ですね。
麗斗: 僕は抱負が得意じゃなくて、1年区切りで生きてねえしな、みたいに斜に構えちゃうタイプなんで、抱負を持ったことないんですけど、皆さんはどうですか?
林 さん:50歳の節目、「誰も知らない良い企業に投資する」
林 : (年始の) このタイミングじゃないと、新しい習慣を身につけるとかチャレンジって意外と難しいんじゃないかなと思ってますね。2026年は僕50歳になるみたいな年で、節目だよね。
林 : でも、何かを大きく変えたい気持ちがあるかって言うと、2025年の初めに言ってたことが、前半の話にも繋がってるけど、あんまり「スタートアップ」って言ってない人に投資したいし、そういう人を増やしたい。そういう人をスタートアップの世界に呼び込ませたい、っていうのを去年の年頭所感に書いたんですけど、それかな。今年も引き続き。
林 : 実際、出張の数とかも増えてるし、九州いろんなとこに行くのも増えてきてる。もちろん福岡にもたくさんいると思うし。尊敬するキャピタリストの、グロービスの仮屋薗さんが言ってた一言で、誰も知らない良い企業に投資をしていくのがVCとして価値なんじゃないかっていうのが染みついていて。それを50歳の節目に自分なりに体現したいなって思ってます。
麗斗: 去年と同じこと言ってるかもしんないけど、手応えはあったと。
林 : そうですね。VCキャリアももうすぐ20年みたいな中で、向こう10年考えた時に、そこはまだやり残しているし、地域でやっていく以上は大事なスペースなんじゃないかなって思ってます。
津野さん:南九州に足を運びつつ、活動エリアを広げる
麗斗: 次はどなたがご発言なされますか? …… 年齢順かな笑。
津野: いや、僕、去年の年頭所感、何て書いたかなって今見返してて、それさえも覚えてないっていうクソまずい状況でして… 1年振り返ると、正直、何もできなかった1年だったなっていう反省があります。
津野: 出張の話とか、どういうところに行ったみたいな話とかもしてたと思うんですけど、やっぱエリアが限定されてた2025年でした。そこから、いいソーシングができなかった、みたいなところもあるのかなって考えると、活動エリアを広げていきたいですね。ただ一方で広げすぎちゃうと足元が見えなくなるっていうのもあると思うんで、宮崎と鹿児島、特に南九州には地に足をつけてちゃんと活動するっていうところはやりつつ、それ以外の部分でも活動エリアを広げた上でソーシング活動につなげていく、みたいなところはやっていきたい。
津野: それと、1年を通して思ったことで言うと、農業系のスタートアップは名指しで相談してくれる傾向があるなっていうのもあって、面白い農業系スタートアップは全国いろんなところにあるなっていうのはあるんで。そういうところをうまく掘り起こして投資に結びつけていければ、っていう風に、個人的なテーマではありますけど、そう思ってますね。
林 : 農業、来てますよね。インターネットの世界からは一番遠いようで、今残ってる課題みたいな話で言っても相当いいよね、みたいな話はよく聞きますよね。
麗斗: 完全に流れ来てますよね。
麗斗さん:関東と九州で“課題の見え方”が違う/アジア感が足りない
麗斗: 最近、思った以上に、関東に住んでる人と九州に住んでる人だと、世の中の課題の見え方が違うなっていうことが増えました。良い悪いじゃなくて、東京は東京にしか見えないものが多分あるんだろうなと思うんすけど、九州にいると農業の問題って相当でかいなって思うし。
麗斗: 去年言った「どの駅前でもやってるビジネスを対象としたサービス」みたいなのも、山手線の駅前とそれ以外の都市の駅前って全然景色が違うというか、それ以外の都市の駅前は大体似たり寄ったり、みたいな。 (僕達は) 関東に見えない課題にアクセスしていくってすげえ大事だなって思ってて。農業も、関東のノリで行くとデータとかロボティクスとかってあると思うんですけど、こっちにいると「そもそも大規模農業をやるために必要なツールないよね」みたいなの、最近めちゃくちゃ感じるじゃないですか。そういう課題にアクセスしていきたい。
麗斗: あと、ずっとアジア、アジア言ってる割に、思った以上にアジア感ないなっていうのはありますよね。21世紀、次の四半期はちゃんとアジアやんないとなって感じてますね。福岡にいる人だとよく見るかもしれないですけど、日本地図を逆さにしてアジアの方に近づけてみると、めちゃくちゃ九州いい場所にあるよね、みたいなの。あれ本当だなって。地理的なリスクもあればメリットもあるはずなんで、この辺りをちゃんと活かす、みたいなところは深めていきたいポイントの1つですね。
林 : 確かに誰もアジアに出張してないですね、去年は。
赤瀬: そうっすね。
赤瀬さん:20代後半→30代目前、“同年代起業家”が増える波
赤瀬: 僕は四半世紀みたいなイメージはあんま持ててないんですけど、年齢がそもそも25年、26になる年なので…… どちらかと言うと、20代の10年の中で、あと4年3年か、みたいなイメージの方が大きくて。周りの人も「30で区切りを」みたいに言ってる人がそれなりにいるなという印象があるんで、僕自身もそうだし、周りの人も「転機を迎える30を目前にして」みたいなのを言ってるのがあるかもなと思っています。
赤瀬: 僕、投資させてもらっている会社って意外と同年代の起業家の方は多くなくって。なぜか10個以上離れてる人が多く、20代の人があんまりいない。4つぐらい年下の人はいるけど、プラマイ3とかの範囲に入ってる人ってほぼいない。
赤瀬: それは多分、僕が20代前半だったからだと思っていて。20代前半で起業するってなると学生起業家しかいないので……(それが増えない限りは)周りにいないっていう感じだったんですけど、20代後半になってくると大学卒業して何年か経った人が増えるし、東京に行って九州に戻ってきましたみたいな人も30前でいるだろうし、結婚を機にUターンしてきましたみたいな方も同年代で増えるタイミングなんだろうなと。
赤瀬: それで言うと、同年代の起業家が増えることを前提に置いた上で、そこへのチャレンジというか、触れ合いみたいなのはやっていける時期に入ってきたかなっていう気はしていますね。
麗斗: 確かに。僕は同年代の投資先結構多いんですけど、30手前ぐらいにババっと出会ってるのが多いっすね。投資させてもらった年で言うと。
赤瀬: そう、僕がベータに入った年がちょうど渡辺さんが30歳になったぐらいで。それが個人的には結構大きかったですね、「20代の人がいなくなった」みたいな。気づけばみんな30代になってる、みたいなのがあったので、そこはあるんじゃないかと思ってるんですよね。
麗斗: じゃ、ここから先数年はフィーバータイムが来る。
赤瀬: そう踏んでるんですよ。20代駆け込み起業がね。
林 : 30までにはやりたい、みたいな。
麗斗: 楽しみだな。ただ僕もまだ30代なんで、そん時は取り合いましょうね。
赤瀬: いや、30の壁があるんで笑。
麗斗: まあ、(起業家側からの) フィーリングの壁をまず超えなきゃいけないからね。
エンディング:名乗ってなかったので名乗って終わる
麗斗: 我々も、もうすぐ4号ファンドがファイナルクローズを迎え、本格的に投資が始まるっていう26年になっておりますが、こんなところですかね……って言おうと思いながら、実は名乗ってないなと気づきました笑。我々、名乗らず小一時間話してましたね。ということで、最後、名乗りを上げて終わろうと思います。
麗斗: この番組は、ベータ・ベンチャーキャピタルで投資担当を務めております、渡辺麗斗と、
林 : 林龍平。
津野: 津野省吾。
赤瀬: 赤瀬太郎、の4名でお送りしました。
麗斗: それでは皆さんも今年いい年にしていきましょう。よろしくお願いします。
林 : ありがとうございました。
赤瀬: よろしくお願いします。ありがとうございました。
津野: ありがとうございました。
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